寺門琢己先生のZMON治療院

寺門琢己先生との出会いは、書店で先生の初の著作「かわいいからだ」を手に取ったことでした。

当時は好不調時の気分の差が激しく、二重人格か?双子座ゆえか??と自分でも悩むほどでした。
それが、骨盤の開閉運動によって作り出される「自然のバイオリズム」の影響だということを理解させてくれた画期的な本でした。

気分も食欲も性欲も睡眠の質も、仙骨の角度ひとつに、どれほど人間が支配されているのか
そして、この開閉運動を妨げない暮らし方が、健やかに生きることに繋がるのだと知り
現在私の使っている「季節と骨盤のカレンダー」を編み出すきっかけを頂きました。

この本の内容が面白すぎて、海外の仕事仲間に腰痛、生理痛、生理不順の解消法を受け売りしているうちに、その本を訳して欲しいと乗せられて、「この本を英訳させていただけませんか?」と、生意気なお手紙を寺門先生にお送りしたところ「整体は日本独特の文化で、英語ができるだけでは訳せません。まず現場に来なさい。」とお返事をくださり、先生の治療院で2年ほど働かせていただく機会に恵まれました。

優しくユーモアに富みつつも、厳しい指導の手は決して緩めない、タク先生とクライアントさんとのやり取りは知恵の宝庫で、忙しい現場で手足を動かしながら、いつも先生の言葉に耳を欹てていたのを思い出します。

タク先生の一挙手一投足が、目から鱗のアイデアだらけ、毎日が新しい閃きと臨機応変な実験のような現場で、私が今も自宅やお教室で実践ご指導させて頂いている腰湯や骨盤調整、季節のからだのメンテナンス法の基礎は、すべてここで教わりました。

著作の英訳は話は、現場を知り、医療に対する東西の基盤の違いを知り、身の程を知った私のミッションからは外れましたが、人間にとって一番身近な「自然のリズム」を刻む骨盤の調整法は、楽健法とともに「日本発のアーユルヴェーダ」として、いつか世界が知る価値のある素晴らしい知恵だと確信しています。

 

「骨盤インストラクター」解説

 
女性の産後の肥立ちをよくする野口整体の「産褥体操」を、老若男女向けの「骨盤体操」にアレンジして現代に蘇らせたのは、寺門先生の功績です。
そして、私はその骨盤体操を、折しも第1子の出産直後に「産褥体操」として実践した、栄えある第1号となりました。
 
野口整体流の産後の骨盤矯正法は、横になったまま8時間ごとに左右両脇の体温を測り、3回目に左右の体温が揃ったところで正座をするなど、
家族の深い理解と協力なしでは実践が難しいのです。そもそも半地下の分娩室から産後を過ごすお部屋まで13段の階段を上らなくてはならい環境だったこともあり、タク先生に相談したところ「それなら、胎盤が出たら、起き上がる前に1発『閉める体操』をやってごらん」と。
 
後産直後に「閉める体操」を実践したことろ、貧血になるくらい、一気に血流が骨盤周りに集まって骨盤が閉まってきたのがわかりました。産後5日間は、身体の修復作業を優先して、消化に負担をかけないお粥だけの食事を実践したことも相まって、退院時の体重は、自然に出産前と同じに戻っていました。
 
産後1ヶ月で開催された「骨盤教室」(骨盤インストラクターを務めていました)では、ゲストとして、「骨盤体操を実践してお産をした直後の骨盤」を見ていただきました。
 
肚腰文化の歴史をもつ日本には、丁寧に骨盤を扱う流儀があります。

 

<産後4ヶ月の骨盤>

 

<生後4ヶ月の長男>