ヘルマン・ヘッセについて- Hermann Hesse -
言葉では表し尽くせぬ世界を、詩心(飛躍的な想像の翼)と圧倒的な知性を駆使して
あえて言葉で再構築しようとする、錬金術師のような作家です。
へッセの作品は、後期の「デミアン」以降、「荒野のおおかみ」も「シッダールタ」も好きですが、特に「知と愛」が大好きで繰り返し読みました。
現代社会がどう考えてもおかしな方向に向かっているのに、
かと言って、飛び出す勇気のない自分にも憤っていて、
自分のエネルギーをどう循環させたらいいかわからずに鬱屈していた10代終わり〜20代初めに、
ヘッセは、インドに布教に行ったキリスト教宣教師の家系に育っているんですね。
この作品は、キリスト教的なもの(父性、知性、思考)の限界と東洋的なもの(母性、感性、芸術)への憧れと
この作品は、キリスト教的なもの(父性、知性、思考)
二元論を超えた両者の融合を試みた作品だと言われますが、まさに体験して感動する以外、伝えのようのない作品です。
この作品を繰り返し読まずにはいられかった、
若さのエネルギーと飢えの凄まじさを、今振り返って思います。
二元論の融合に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。